パンチング金型編 成形加工編
3-18)板厚無調整式金型
タレットパンチプレスで成型用金型を使用する場合に、
通常プレス機のシャットハイトに合わせて金型あるいは機械側で金型のハイト調整が必要となります。
ハイト調整不要!
板厚無調整式金型は、スプリングの圧縮反発力で成形加工を行い、
所定の成形形状が得られた後のストロ-ク分はスプリングが縮み吸収するため、
ワ-ク(板厚)が変わってもパンチ長さの調整(ハイト調整)が不要となります。
板厚無調整式ハーフパンチ | |
上向 |
下向 |
仕様
|
金型サイズ | |
NC (ロング) |
1/2 |
NC (ショート) |
1-1/4 |
ウィドマンタイプ |
C 又は D |
CPタイプ |
B |
※ 板厚・材質によっては製作できない場合もありあります。
金型構造例 (ロングタイプ)
上向加工
下向加工
「板厚無調整式金型」 は、板厚の変更による金型の交換や調整が不要なため、
- ・金型交換回数が減り、生産性が向上します
- ・板厚変更を伴う夜間無人運転も可能です
- ・パンチプレスに金型をセットするだけで加工を始めることが出来るため、簡単に段取り替えが出来ます
- ※スプリングの圧縮反発力で成形するため、板厚が厚い場合や形状・大きさにより
1ランク上のステ-ションが必要となる場合があります。
ハーフパンチ以外にもいろいろな加工形状も製作することが出来ます。
センタ-ポンチ | ダボ出し | 刻印 | C面取り |
スプリングの力を利用した同時型
スプリングの力を利用した金型には、
・ エンボス加工 と抜き加工 ・ エンボス加工 とバーリング加工
などを同時に行う金型もあります。
エンボス・抜き同時型 | エンボス・抜き同時型 |
ワンポイントアドバイス
板厚無調整式金型は、シャットハイトの差をスプリングで吸収するため、
絞り加工で機械の下死点位置が安定しない場合にも利用できます。
(下死点のバラツキをスプリングが吸収し、安定した成形形状が得られます。)