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テクニカルガイド

パンチング金型編

基礎編 1-2)抜型のクリアランスについて

パンチング金型編 基礎編

1-2)抜型のクリアランスについて

クリアランスとは、抜きパンチの刃先径とダイの刃先径の寸法差を言います。
通常クリアランスを指示する場合には、
(1)両側クリアランス (2)片側クリアランス の2通りがあります。

抜型のクリアランスについて

(1) 両側クリアランスは B-A

(2) 片側クリアランスは (B-A)÷2

適正クリアランスの目安

両側クリアランス = 板厚 × クリアランス係数

① 機械方式

② 材質

③ 板厚

クリアランス

(参考値)

(参考値)

材質 クリアランス係数 引張強さ
(N/mm
サーボ・油圧式マシン メカ式マシン
冷間圧延鋼鈑 (SPC) 0.2~0.25 0.15 270以上
熱間圧延鋼鈑 (SPH)
構造用鋼鈑 (SS400) 0.25~0.3 0.2 400~510
ステンレス鋼鈑(SUS304) 520以上
ステンレス鋼鈑(SUS430) 450以上
アルミニウム(A1100) 0.15~0.2 0.1 95以上
アルミニウム(A5052) 215以上
銅   (C1100) 0.2~0.25 0.15 275以上
黄銅   (C2720) 0.2~0.3 0.2 410以上
高張力鋼板(SPFH590) 590以上
参考
  1. せん断抵抗は引張り強さの約80%を目安として下さい。
  2. 厚板(3.2tを超える)の場合は、上の計算結果×1.4程度を目安として下さい。
  3. 上表にない材質は、剪断抵抗・引張強さを参考にして下さい。
  4. お手元にワークがある場合には、実際抜き加工を行い、上表を参考に適正クリアランスを設定して下さい。
  5. 機械の仕様によって最小クリアランスが決まっています。機械の仕様書も合わせてご確認下さい。

クリアランスと製品との関係

抜きカスの状態図
クリアランス 適正
抜き面(抜きカス)の状態 クリアランス大の抜き面 適正クリアランスの抜き面 クリアランス小の抜き面
抜きダレ
剪断面
破断面
カエリ
ソ リ
寸法精度 悪い 良好 良好
備 考 カス上りに悪影響

NIL

抜き荷重増大

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